「ポチくんとの最期」

一生忘れぬであろうポチくんとの別れは、1浪時の早稲田を受験し終えて帰郷したときに訪れました。
帰郷して数日が過ぎた2月20日の昼、妙にポチくんが吠えるのです
「そ−いやぁ、2月の頭からずっと東京にいってたし、久しぶりに散歩にいっちゃるか〜」と思い一緒にいつものお散歩コースをまわっているとなんかポチくんの足取りがおかしいのです。「元気出せよーポチくん!!」としゃべりかけながらお尻をドンと押しましたが全然元気になりません。
 「?・・・あ。そーか。ポチくんも人間で言うと80近くなんだから・・・。年とったなぁ〜ポチくん。」


それがポチくんとの最後のお散歩になるとはこれっぽっちも考えていませんでした。次の日の朝、ポチくんは小屋の中で眠りながら逝っていました。眠りながら・・・苦しむことなく逝った。絶対に苦しむことはなかったと勝手ながら信じております。


(そのときのことを思い出しながらこの文書いているので、わし、泣けてきてしまいました。)



そして今でも思うのです、

「ポチくんはわしを待ってくれていたのでは」

と。

だって2月7日から2月17日までは東京、2月24日の朝からは東北だったんだから。
その間の18、19、20、21、22、23のたった6日間のうちにポチくんは13年間の最期をもってこなければ、わしはポチくんと再会するのはポチくんが骨になってから、ということになっちまう!
事実、ポチくんは2月21日の朝、わしが最初にポチくんの死を確認しました。そして翌日、2月の22日にポチくんを火葬場へ連れて行きました。


別れの前日に妙に吠えたこと。


その散歩がわしにとっても、ポチくんにとっても最後だったこと。



13年間の最期をわし自身の目と手で確認させてくれたこと。


偶然とは思えないんです。


      ポチくん ありがとう。